1、短歌とは基本的に三十一音からなる定型詩
 基本的なリズムは57577。しかし、字余りや字足らずなどもある。閉塞感だったり、欠落感を出すためなど、技巧の一つとしてリズムを崩す場合はあるが、まずは素直に定型に当てはめることから始めても良いだろう。どうしても上手くいかないときは、声に出した時の心地よさを尊重して考えると良い。

2、短歌の数助詞は「首」

 たまに、「句」と間違える人がいるが、それは俳句なのでこの際覚えてしまおう。

3、短歌を作るときは

☆季語はいらない
 同じく定型詩の俳句と混同しているのか、季語が必要だと考えている人もいる。ただ、要らないというだけで、もちろん、季節感のある短歌を書いても良い。

☆難しく考えない
 中学・高校では古典の時間に短歌を扱ったためか、短歌は文語で書くものと考えている人もいるかもしれない。しかし、枡野浩一や穂村弘、斉藤斎藤など現代の歌人では口語を用いる人も少なくない。無理に難しい言葉を使おうとせず、まずは自分の使いたい言葉を選んで作ってみると良い。俳句に用いられる「や」「かな」「けり」の切れ字にこだわる必要もない。

☆ジャンルがたくさん
 相聞(恋の歌)、挽歌(人が亡くなったときの歌)、辞世、時事詠、言葉遊び(物名。掛詞など)、旅行詠など。作風も、色彩豊かに詠むもの、内省的なもの、情景を丁寧に描写するもの、皮肉を込めたものなど自由。なので、もしあなたが「これは短歌か?」と思ったら恐らく短歌だろう。

4、良い歌を作るにはどうすれば……?
 私自身、秀歌が作れている、と胸を張って言える訳ではないので、ここで、説得力があると思った作家の考えを引用させていただく。
 ・平易な文体
 ・適度なレトリック(比喩や心情描写)
 ・適度な詩情
 ・読み手に想像の余地が残されている
 ・きちんと読後感がある
「うたらば」のサイトより 田中ましろ
(http://www.utalover.com/toko.htm)

 ・短歌は音数を57577ぴったりにしたほうが説得力が増します。
 ・みんなが思ってるだろうことを短歌にする場合は、みんなが思いつかない新しい言い方を発見しましょう。
 ・みんなが思ってもみない、あなたならではの発見を短歌にする場合は、みんなにも理解できる言い方を必死に考えましょう。
ドラえもん短歌の広場 枡野浩一
(http://dora-world.com/bokudora/tanka_sho01_f.html)

 以上のことは、ほかの入門書でもよく見られます。これらを踏まえて、説明しすぎない、虚飾しすぎない、語順を並び替えてみる、他の言い方を考えるなどして改作を続けていくと、一つの納得できる形に落ち着くかもしれません。





この「ざっくり短歌入門」の記事は黒川未々先生のビラを元に(というかまるまんま)書かれたものです。